マーケティングの神様のニュースを見て、自戒を込めて思うこと


はじめに

Libra近江代表の澤田です。 今日は、最近ニュースやSNSで話題になっている「某マーケティングの神様(M氏)」について、私自身が感じたこと、そして自分自身が経営者として肝に銘じたいことについて書こうと思います。

1. かつて感銘を受けた「不屈の精神」

私もビジネススクールでマーケティングなどを学んだ身として、M氏の書籍は何冊か読ませていただきました。具体的なノウハウはともかくとして、危機に陥ったときに諦めずに立ち向かう姿勢には、かつて大きな感銘を受けた記憶があります。

しかし最近、M氏が手掛けた複数のテーマパークがことごとく経営不振に陥っていることや、コンサル先とのトラブル&多額の違約金支払いなどが報じられ、メディアの風向きは一変しました。かつてあれほど持ち上げられていたのが嘘のように、今はバッシングの対象となっています。

2. 「失敗」ではなく「在り方」への違和感

私は、チャレンジして失敗した人を、失敗したからといって叩く行為はあってはならないと思っています。挑戦にはリスクがつきものであり、失敗そのものは責められるべきではありません。

しかし、今回の一連の報道を見て、私はM氏を応援する気にはなれませんでした。それは、M氏の「経営者としての在り方」が、私の価値観と相いれないからです。

報道によれば、自身の経営するマーケティング会社が数十億の赤字を出している一方で、そのマーケティング会社から自身のファミリー企業に対して多額のメソッド使用料(年1億円)を支払わせていたり、出資を受ける際にそのメソッド料支払いを辞めるタイミングで違約金(7億円)を支払わせていたといいます。 このスキームは違法ではないということは当然分かっています。多くの儲かっている中小企業経営者がやっている手法だと言うことも分かります。しかし、「日本や、その地域の発展のため」と志を熱く語って資金を集めた人が、このような私利私欲とも取れるスキームでファミリー企業にお金(普通の人間の感覚なら多額すぎると感じられる金額)を流していた…という事実に、強いがっかり感を抱いてしまいました。

また、テーマパーク撤退の説明の中であった「自己資金の範囲内でやっていること」というフレーズに対し、私は「その数十億円の自己資金はD証券からの出資金だよ、会計上は自己資金だけど自分が稼いでストックしたお金じゃないよ」と思ってしまい、そんな言葉の端々にも「誠実さが欠けている」と違和感を感じてしまいました。

3. 現場の情熱と、経営者の責任

一方で、心苦しいのは現場の方々の存在です。 テーマパークでは、スタッフの方々が本当にお客様のためにホスピタリティ溢れるサービスをされていると聞きます。地元を盛り上げたいと、安定した職を捨てて転職してテーマパーク事業に参画された方もいるようです。そんな現場の方々が一生懸命に頑張っておられる話を聞くと、絶対に失敗してほしくないという気持ちになります。

「現場で働く人や関わる人のことを考えると絶対に成功してほしい」
「でも、この経営者の在り方が肯定されるのは嫌だから心の底から成功してほしいとは思えない」

そんな複雑な感情を抱いてしまいます。ここでふと怖いなと思ったのは、経営者の人としての「在り方」が欠如していることによって、会社がやっていること全てを否定される可能性があるということです。経営者の「在り方」や立ち振る舞い一つで、そこで働く社員さんの本当に純粋な努力が無駄になったり、世間から批判されて嫌な思いをさせてしまったりする。これはとても悲しく、切ないことだと思いました。

4. 他山の石として、自分を律する

「他人のふり見てわがふり直せ」と言いますが、今回の件は私にとっても大きな自戒となりました。私自身、日々仕事をする中で以下のような問いを忘れていないか、改めて見つめ直す必要があると感じました。

  • 「人に凄いと賞賛されたい」という動機で意思決定をしていないか?
  • 他者への貢献よりも、自社の利益を優先した判断をしていないか?
  • 会社は社員さんや、関わる人々を幸せにするためにあるという原点を忘れていないか?
  • 地域や社会に意識を向けず、内向きの考えになっていないか?
  • 事業が「人の役に立つ」ことよりも「単なるお金儲けの手段」という動機になっていないか?

自分では意識しているつもりでも、外部環境や諸事情によって心が揺らぐことは正直あると思います。 しかしながら、自分の「在り方」が揺らげば、社員さんの努力を台無しにし、関わる人みんなに嫌な思いをさせることに繋がってしまうということを再認識して、自分自身日々精進しなければと気を引き締めるきっかけをいただきました。

最後に

「世の中に聖人君子はいない」し「完璧に悟ったと思っても、次の瞬間には揺らぐもの」ということを認識した上で、「自分は出来ている」と油断をせず、たとえ揺れながらも道を外れることなく元に戻し、精進していかなければ、、と改めて感じさせていただきました。そして、私がブレて変なことを言い出したら、指摘してもらえるような関係性を日々、社員さんや経営者仲間と築いておかないと、、とも思いました。
そんなこんなで、これからもLibra近江の代表として、地域の皆様や社員さんに対して誠実であり続けられるよう、襟を正して経営に向き合っていきます。

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この記事を書いた人

澤田 晃仁のアバター 澤田 晃仁 合同会社Libra近江 代表社員

地方銀行に13年勤務し、滋賀県内や大阪の支店で法人営業、審査部で企業格付審査、融資審査、再生支援部門に従事。銀行退職後、当時債務超過だった中小製造業に転職し、在籍した4年間で営業、開発受託窓口、製造部門管理者として事業再生を果たした。また、商品開発部マネージャーとしてゼロから新規事業の立上げも経験した。2022年5月に中小零細企業向けの事業再生コンサルタントとして独立。

経営学修士(MBA)、認定事業再生士(CTP)、ターンアラウンドマネージャー(TAM)、事業承継士

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