業績悪化時のファクタリング利用は絶対にやめて!!終わりますよ。

業績悪化時にファクタリングを利用すると取り返しがつかないことになります!!

ここ1ヶ月の間に、弊社ホームページの問い合わせフォームにファクタリング会社からの業務提携の連絡が2件ありました。Google検索をしてみても、最近ファクタリング会社がどんどん出てきていることが分かります。

ファクタリングとは、「債権買取り」という意味で、売掛金(売掛債権)をファクタリング会社に売却して、手数料を引いた現金を得ることを指します。ファクタリングを利用すると、売掛金の支払い期日より前に資金を調達できるため、資金繰りが改善したように思えます。また決算書上の借入金が増えないので都合の良い資金調達手段のようにも思えます。
ファクタリングの最大のデメリットである取引相手にファクタリング利用がバレる(この会社ヤバイの?と思われ取引を切られる)ことですが、一般のファクタリングより高い手数料を支払えば取引先にバレずにファクタリングを利用できるサービスもあるようです。

興味本位で、業務提携の問い合わせがあったファクタリング会社のホームページを覗いてみましたが、「最短即日入金」「面談不要」「取引先への通知不要」「業界最安手数料」と魅力的な言葉が並んでおり、さらにファクタリングを利用して良かったという趣旨の利用者コメントが複数記載されていました。資金繰りに苦しむ経営者の立場からすると魅力的すぎる言葉が並んでおり、すぐにでも申込をしたいと思える内容です。

ただし、、

資金繰り悪化を理由としたファクタリング利用は、資金繰り破綻を早めるトリガーになります。一度利用したらもう終わりです。。。

一番の理由は手数料の高さです。手数料率上限〇%という記載があったとします。「高いけど今資金調達できるなら10%以下ならありかな?」と思ったりしていませんか?

その「ちょっと高いけど、、」はあなたが考える「高い」よりもはるかに高いです。ちょっとどころではありません。

例えば、毎月売上1,000万円、末締め翌月末払いの取引先の売掛金を手数料9%でファクタリング利用したとします。

ファクタリング利用をした時点では手数料を差引いた910万円を受け取って資金繰りが改善したように思います。ところがその月の月末、本来入るはずだった1,000万円の売掛金はファクタリングを利用したため入ってきません。なので、またお金が足らなくなってファクタリングを利用しなければならなくなります。この調子で1年間ファクタリングを利用したらどうなるでしょうか?

ファクタリング1回の手数料90万円×12回=1,080万円です。入金サイト1ヶ月の売掛金ですから、本来は1,000万円の運転資金を借りていたらそれで済んでいたはず。実質1,000万円の借入として計算すると、支払手数料1,080万円/想定運転資金1,000万円=年間108%!! 金利に換算すると年利108%!! 消費者ローンどころではありません。こんな高金利でお金を借りて成り立つような超高収益ビジネスは存在するでしょうか?

ファクタリングの恐ろしさを少しはご理解いただけたでしょうか?資金繰りが悪化しているときにファクタリングを利用してしまったらそれが最後、よほど神がかり的な大逆転の収益改善をしない限り、資金繰り破綻に向けてアクセルベタ踏みです。

私のような中小企業のサポートをする者に対して、業務提携の打診をしてくるファクタリング会社に対しとても腹立たしく思います。残念ながら、経営コンサルティング会社の中にもファクタリング会社と提携して、クライアントさんにファクタリングの提案をしているところがあるようです。これは私の完全な主観ですがファクタリング会社と提携しているコンサル会社やファクタリングを進めてくる士業の方にまともな人はいないと思います。少しのリテラシーがあれば、とても危険なものだと分かるからです。どうか、皆さん魅力的な甘い話に騙されないでくださいね。

合同会社Libra近江は、「サポートを必要とする企業や人々の役に立つことを自社の事業と定義する」という経営理念のもと、悩める中小企業の経営者さんのお役に立てるよう、ちょっとした相談には無料でお答えしています。事業に関して困っている、どうすれば良いか分からないということがあれば、お気軽にお問合せフォームよりご相談ください。

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この記事を書いた人

澤田 晃仁のアバター 澤田 晃仁 合同会社Libra近江 代表社員

地方銀行に13年勤務し、滋賀県内や大阪の支店で法人営業、審査部で企業格付審査、融資審査、再生支援部門に従事。銀行退職後、当時債務超過だった中小製造業に転職し、在籍した4年間で営業、開発受託窓口、製造部門管理者として事業再生を果たした。また、商品開発部マネージャーとしてゼロから新規事業の立上げも経験した。2022年5月に中小零細企業向けの事業再生コンサルタントとして独立。

経営学修士(MBA)、認定事業再生士(CTP)、ターンアラウンドマネージャー(TAM)、事業承継士

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