こんにちは!
Libra近江の石田です。
今日は、「元中小企業キントーン導入担当が考えるキントーンの導入の壁!①「担当できる人がいない」」編をお話したいと思います。
キントーンに限らずデジタル化やDXの話をしていると必ず出てくるこの話
「社内に担当者がいない」
まさに中小企業にとってあるあるな話ではないでしょうか。
今回は、私の実体験に沿ってこの「社内に担当者がいない」問題についてお話していきたいと思います。
社内に”IT人材”はいないという悩み
こちらは、「IT人材の供給動向の予測と平均年齢の推移」をグラフにしたものです。日本の全体で見てもIT人材の不足は深刻です。また日本のIT人材の所属先はIT企業がその多くを占めています。
この現状から鑑みても「社内にIT人材がいない」という悩みは多くの会社が抱える共通の悩みということになりそうです。
グラフ出典:経済産業省「ITベンチャー等によるイノベーション促進のための人材育成・確保モデル事業」
キントーン担当者はどう選ぶ?
私が当時キントーンの担当として在籍していた会社も同じ状況で社内にIT専門部署はなく、IT人材も在籍していませんでした。
キントーンの担当をしていた私自身も新規事業の立ち上げプロジェクトに中心的に関わっており、キントーン担当は寝耳に水でした。かつ私は育児中で時短勤務。
本来の業務と並行してのキントーン担当はかなり無茶ぶりだったといえます。
キントーンの担当はできれば専任であることが望ましいですが、リソース的に困難な場合が多いかと思います。
そんな場合でも、必ず1日2時間はキントーンの業務に専念する時間を確保する等の配慮はいただく必要があります。
片手間での担当では本人の負担も大きくなり、開発の進捗も悪くなります。
さて、片手間担当として引き受けた私がキントーン開発をやり遂げた理由は一つ
「私は業務改善が好きだった」
ということです。好きなだけというと少し語弊があるかもしれません。出産に伴う転職以前の職歴として業務改善を主な業務としていたため既存の業務フローの見直しから業務改善の提案までが行えるかつ”好きな仕事”でした。
さて、ここで業務改善ができたらキントーンを扱えるようになるのか?ITスキルいらないのか?という疑問が出てくるかと思います。
私の答えはほぼ”YES”です。
キントーン担当者に必要なスキルとは
アプリを作成するスキル
キントーンを活用していくには、もちろんキントーンのアプリを作成できるスキルが必要です。
キントーンはノーコードでのアプリ作成が可能です。このため、簡単なアプリであればパソコンの基本的なスキルがあれば可能となります。
キントーンの基本機能で実装が難しいものを実現したり、自社に合わせて柔軟に対応できるアプリを開発するにはカスタマイズを行う必要性が出てきます。
キントーンをアプリを作成してつまずいたときは、伴走支援サービスでサポートを受けたり、連携サービスやプラグインを使って機能を拡張することがおすすめです。
会社の業務を良く知っていること
そして、キントーンの開発において、大事なもう一つのスキル。
それが「日常の業務をよく知っている」ということです。
例えば、日々の業務の中で誰もが一度は感じたことがあるであろうこの気持ち
「この作業、めんどくさい…」
これが、実は小さな業務改善のシーズだったりします。ですが、ほとんどの人のこの思いは日々の他の業務の忙しさの中に埋もれ外に出てくることはありません。このめんどくさい業務があることを知っていることがキントーンの担当者にとっては、とても大事なのです。
更に言えば、日本は終身雇用が多いですよね。近年変化してきたとはいえ、まだまだ同じ会社に長く務めることが非常に多いです。そしてその方々の中には担当業務に精通している方が必ずいます。
キントーンで業務アプリを作成していく際には、必ず対象業務の洗い出しが必要になります。
現在の業務フローや困っている点、さらには周辺業務を洗い出し、最終的に”なりたい姿”を描く必要があります。
この作業には、”日常業務への理解”が必須です。この日常業務の理解に非常に時間がかかるため、業務改善計画は頓挫しがちな厄介なタスクなのです。
しかし、日本の会社に多数いる”その業務に精通した人””めんどくさい作業を愚痴を言わず頑張っている人”この方たちは、その”日常業務の理解”は完璧にできた状態のはずです。
そして長い間働いた会社には愛着もあり、自分がこれからも勤務する会社を少しでも良くしたいという思いは必ずあります。
以前、キントーンの生みの親サイボウズ株式会社の青野社長がキントーンについてこう語っておられました。
「キントーンは何か国でも展開しているが、日本という国に一番馴染みやすい」
これは、先に述べた終身雇用や日本人の仕事に対する姿勢について言及されたものです。
キントーンは開発自由度の高いシステムだけにアプリへの置き換えを行う業務への深い理解と改善への強い思いが必要になってきます。この条件に日本人はとてもしっくりとはまるのです。
アプリを作成するスキルは努力すれば手に入れることができるかもしれません。また外注しやすい内容ともいえます。
ですが、その会社の業務を理解するというのは伴走支援サービスを扱う私たちもとても時間を費やす部分になります。
そう考えると2つ目のスキルは実はキントーン構築を行う上ではもっとも大事なスキルだと私は考えます。
担当できる人材は社内に必ずいる
「社内に担当できる人材はいない」と思っておられた皆様、もう一度社内を見渡してみてください。
・毎日一生懸命地道に正確に担当業務に取り組んでおられる方
・長年お勤めになられているその道のプロ
きっと社内にはキントーン担当者になりえる方がおられると思います。
さて、ここで、私が先に述べた「業務改善が好きならキントーン担当者としてほぼOK」という言葉を思い出していただけますでしょうか。
そうです。”ほぼ”OKです。
なぜ”ほぼ”かというと、日常業務に対する理解や思いがあってもそれを形にしていく、キントーンのアプリ化して社内に浸透させていくというのは、かなりのパワーが必要です。
それにはやはり経営層の理解や決心が不可欠の要素になってきます。
担当すると決められた方に実行権限を委譲する、社内に万全なバックアップ体制をとるなどは経営層の決心なくしてはできないことです。
また、担当者の方も相談できる相手が必要になる場合があります。
業務改善には必ずといっていいほど社内からの反対にあいます。
中には「こんな必要ないことするな」「前の方法でよかったんだ」と言った心無い言葉を浴びることもあるかもしれません。
そんな時には、社外の人間の力を借りることも必要です。
Libra近江のキントーン伴走支援サービスでは、社内の方へのキントーン説明会だけでも対応させていただきますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
おわりに
始まりはキントーンでの業務改善担当であったとしても、キントーンの開発スキルを手に入れることは担当された方の自信にも繋がり、またDX化まで成功すれば会社にとっても新規事業への展開も考えられます。
皆様の会社は本当にキントーンの担当をできる方はいないでしょうか?
キントーンを通して現場の社員に新たな力を見つけてみませんか。